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momonGa。を停める。

 自身が駆動機能を持つ電車や自動車など自走式機械と同じ摩擦動力駆動機構を持つクライマーですが、垂直昇降をするので重力圏内ではモロに自重やペイロード(荷物)の影響を受けます。
昇降する動力はもちろんですが、クライマー開発で他チームも工夫しているのが”制動”機構です。
今回はmomonGa-5。のブレーキについて。(スミマセン。長いです。。。)

 momonGaシリーズは昇降中に停止し、周辺環境の定点観測をするために強力なブレーキ機構を搭載しています。2,3号機ではママチャリやミニバイク用のドラム(サーボ)ブレーキ、4,5号機はより強力で耐環境性の高いマウンテンバイク用のディスクブレーキにリサイズ&電動化を施し搭載しています。
これらはいづれも粘着(接触)式ブレーキ構造のため摩耗したり、高速域では粘着抵抗の減少により制動力が損なわれるといったデメリットがあります。
(注:現在実験中の昇降速度、高度(距離)程度では十分に機能しています)

そこでmomomGa-5。では制動力を補完するために「渦電流ブレーキ」機構を搭載しました。
momonGa5-elebreak
アルミ円板を対極ネオジウム磁石でサンドイッチしています。(クラッチにより下降時のみ有効)

私と一緒にちょっとお勉強しましょう。
「渦電流ブレーキとは」
まずは分かりやすく視覚的に渦電流ブレーキが働く様子をご紹介。下の動画をご覧ください。
参照先出典:youtube kuwako ken様のチャンネル「うず電流ブレーキの実験|物理基礎」


磁界の中を金属板が動くと金属内部にレンツの法則(wikipedia)により渦電流が発生します。ただの金属板なので抵抗がある訳でもなくショートして熱に変わります。

momonGa5-break-kouzou
出典:TDK様 「Techno Magazine

 運動エネルギーを熱エネルギーに交換して制動することは変わりませんが、接触式ブレーキの摩擦熱に対し、渦電流ブレーキは渦電流(電気エネルギー)を発生させそれを(ジュール)熱に変換しているのです。
このブレーキ方式は大型車両や電車、一部遊園地にあるローラコースターの補助ブレーキとして利用されているもので構造上非接触のため摩耗しません。また高速域でも(磁束変化が大きいので)制動力を損なわないのでディスクブレーキの補助として採用してみました。

では実際にどのくらいの制動力があるのでしょう。momonGa-5。開発にあたり実験した結果がこちらです。
momonGa5-break-test
*実機に搭載したブレーキデータではありません(円板径、磁石個数を変更しています)

7000rpm時で300W、今回クライマー設定速度(4000prm)で80W程度でしょうか。
一定の効果はありますが、まあ”補助”ブレーキってことで。まだまだ改良の余地ありそうですね。

最後に”熱”について。
宇宙エレベータークライマー最大の敵(?)は<熱>かも。宇宙空間ではいわゆる”空冷”はできないので(強制的な)輻射による放熱となりますが、その放熱板はとんでもなく大きなものが必要になると考えられます。
少しでも発熱源を無くしたいのに熱エネルギー変換するこのブレーキ方式の採用はちょっと考えなければならない問題ですね。でも(たぶん)大丈夫。下記サイトをご紹介。

抜粋:従来の渦電流ブレーキで問題となったレール温度上昇を抑制できる機能を有するLIM
(財)鉄道総合技術研究所「LIM型渦電流ブレーキ

偉い人ががんばっているようです(笑)
ながいことお付き合いありがとうございました。
ではでは。
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